20-strings-koto player Gayo Nakagaki |
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深い深い森の中、高い木々に囲まれた小さな池がある。そこは蒼い世界の物語。木々の合間から降り注ぐ「月の光をチェロ」に、「湖面に反射する光を箏」に、そんな2つの光の対話を曲に仕上げたもの。木々に囲まれているため、短い時間の逢瀬ではあるが、今日も、明日も、永遠に仲良しであろう、ありたいという想いを込めて作った。
このころ、GAYOは「7度の和音」という存在を知り、「137の和音」が箏奏者の指にぴったりくることから、ひたすらそればかり多用している作品となった。今思うに、ちょっと恥ずかしい・・・気がしないでもない。あえて、チェロの高音域を多用したことから、チェロという楽器の甘く切ない音色を引き出せたのではなかろうか。
作曲した直後のレコーディングだったため、テンポがやや遅く感じるであろう。実際のコンサートでは、そのへんの違いも楽しんでもらえると思う。
ちなみに、作曲中は、日本酒を飲んでいたという。正確には、日本酒を飲んで酔っ払っていたときに書いた作品ともいう。別名「日本酒の曲」
制作締め切り目前の夜中に、ビールを飲みながら一気に書き上げた作品で、別名「ビールの曲」ともいわれる。
長い冬もいつかは終わる。長い闇もいつかは終わる。GAYOの音楽もこの春のやわらかい陽射しのように、じわじわと、世界中の人々に伝わっていくとうれしい。
春夏秋、そして冬へと続く作品で、曲終わりはチェロの長いソロともに、冬の星空へのグラデーション的役割を担う。
二十絃箏とチェロのための二重奏として作曲されたが、「箏・ピアノ・チェロ」(CD「刻の忘れ物」に収録)や「箏・フルート・チェロ」などのトリオと編成を変えて演奏されることが多い。