20-strings-koto player Gayo Nakagaki |
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深い深い森の中、高い木々に囲まれた小さな池がある。そこは蒼い世界の物語。木々の合間から降り注ぐ「月の光をチェロ」に、「湖面に反射する光を箏」に、そんな2つの光の対話を曲に仕上げたもの。木々に囲まれているため、短い時間の逢瀬ではあるが、今日も、明日も、永遠に仲良しであろう、ありたいという想いを込めて作った。
このころ、GAYOは「7度の和音」という存在を知り、「137の和音」が箏奏者の指にぴったりくることから、ひたすらそればかり多用している作品となった。今思うに、ちょっと恥ずかしい・・・気がしないでもない。あえて、チェロの高音域を多用したことから、チェロという楽器の甘く切ない音色を引き出せたのではなかろうか。
ハンガリーの国旗は、横3本縞模様で、上から「赤」「白」「緑」となる。「赤」は、いろいろな国に征服された過去の戦いの血を表し、「白」はハンガリーの人々の純粋な心・純潔を表し、「緑」はハンガリーの大いなる自然と希望を表しているという。この3食国旗から、ハンガリーの思い出として「Trinity」とタイトルをつけた。
曲は、国旗のイメージから引用し、3部構成とした。A-B-Cで完結するシンプルな作りではある。Aメロは、「」緑をイメージした。夜明け前のハンガリー、まだ暗い大森林、そこに光がさしてくる。そしてBメロは「白」をイメージした、ハンガリーの人々の優しい心を表現してみた。最後のCメロは「赤」、血わき肉躍る様、その後に訪れるであろう平和を信じて。という想いを短いソロ曲にまとめてある。
「ワッセイル」とは「乾杯」という意味で、お互いの人生に、お互いの幸せに乾杯。そういう意味合いがある。GAYOのオリジナルアイリッシュ風作品となっている。発表以来、演奏者にも聴衆者(とくに外国の方)にも人気で、いつのまにか演奏回数上位に食い込んでいる。
CD「星のゆりかご」を制作するにあたり、どうしても8曲目が間に合わずあきらめていたところ、夜中にビール飲みながら朝には書き上がっていたという、別名「ビールのための曲」ともいわれている。 二十絃箏とチェロのための二重奏として作曲されたが、「箏・ピアノ・チェロ」(CD「刻の忘れ物」収録)や「箏・フルート・チェロ」などのトリオや、中編成・大編成と、展開力のある楽曲である。