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Gayo Nakagaki
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「Peace」(op.10)
2003年夏に作曲された、世界平和を願う作品。
原曲の「Peace」(原題は「After the War」)がかなり暗く、寂しい曲調であったため、おもいっきりポップに明るくアレンジしてもらった。戦いで傷ついた人々の死という世界の中にも、朝日が昇り、いつか平和へとつながる希望と、生命の再生という願いをこめて書き上げた。
Op.28-34「Peace・祈り」が、ほぼ原曲に近い仕上がりとなっている。そちらも合わせて楽しんでいただきたい。
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「刻の忘れ物」(op.11)
2004年冬に作曲された、バラード風作品。

みなさん、生き急いでませんか?
自分という人間を、わかってますか?
ちょっと立ち止まってごらんなさい。
そして、たまには後を振り返ってごらんなさい。
ほら、そこには自分の歩いてきた人生の軌跡が。

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「零雫」(op.13)
2005年冬に作曲された、箏とギターの二重奏曲。「れいか」と読む。
心から溢れ出る、絞り出される、「こぼれ落ちる、しずく」の意味。 GAYOの新たな時代に突入するときの決意、この箏人生に対する決意、「自分らしく生きる」という強い思いが曲となった。 海の底に漂いながら、水面を見上げるとそこには太陽の光がまだ見える。そう深くはないのだろう。外の世界では、政治が、宗教が、その他いろいろな争いや破壊が起きている。生命も絶えるものもあれば、新しく生まれ出るものもある。しかし、わたしにとっては、一瞬の瞬きのこと。ちょっと昼寝している間のできごと。そう、私は何もかわらない。箏が好きで、箏をもっと多くの人に聴いてもらいたくて、そして、ただそれだけの存在。わたしは、箏をこれからもきっとやっていくのであろう。そんな思いが込められている。 大河ドラマオープニング風なイメージで作り上げた。
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「夢見る旅人」(op.14)
2005年春に作曲された、ボサノバ風のGAYOオリジナル作品。
ボサのリズムにのせて、箏が楽しげに演奏する、珍しい作品。
Kotoポップスの1つの形をなした作品である。
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「月光の煌き」(op.18)
2007年冬に作曲された、GAYO初のクラシカル楽器との二重奏曲でもあり、もちろんチェロに書いた最初の楽曲でもある。

深い深い森の中、高い木々に囲まれた小さな池がある。そこは蒼い世界の物語。木々の合間から降り注ぐ「月の光をチェロ」に、「湖面に反射する光を箏」に、そんな2つの光の対話を曲に仕上げたもの。木々に囲まれているため、短い時間の逢瀬ではあるが、今日も、明日も、永遠に仲良しであろう、ありたいという想いを込めて作った。

このころ、GAYOは「7度の和音」という存在を知り、「137の和音」が箏奏者の指にぴったりくることから、ひたすらそればかり多用している作品となった。今思うに、ちょっと恥ずかしい・・・気がしないでもない。あえて、チェロの高音域を多用したことから、チェロという楽器の甘く切ない音色を引き出せたのではなかろうか。

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「Memory」(op.21)
2007年秋に作曲された、ピアノと箏の二重奏曲。いろいろな想いをのせた、懐かしくも優しいピアノと箏の響きを楽しめる。CD「刻の忘れ物」収録のKotaさんのピアノが絶妙。

この曲は、「石の記憶」というイメージで作った。数ある素敵なジュエリー、原石の輝きに触れたときにひらめいたもの。今ここに美しく存在するこの石たちは、はたしてどれほどの人の手を経てきたのだろうか。ましてや人に触れる前の膨大な時間は、何を想って過ごしていたのだろうか。そして、これから将来(さき)、ただひたすらこの地球に存在するものたちを見守っていくのであろう。

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「Trinity/Annaへの詩情」(op.27)
2009年夏に作曲された。同年3月に、ハンガリーブタペストにて「春の音楽祭」に出演してきた。その凱旋コンサートの直前に作曲したもの。 ハンガリーの音楽祭実行委員で我々を担当をしてくださったAnnaさんへ、感謝の気持ちをこめて書いた曲。後にタイトルを「Trinity」に変更する。

ハンガリーの国旗は、横3本縞模様で、上から「赤」「白」「緑」となる。「赤」は、いろいろな国に征服された過去の戦いの血を表し、「白」はハンガリーの人々の純粋な心・純潔を表し、「緑」はハンガリーの大いなる自然と希望を表しているという。この3食国旗から、ハンガリーの思い出として「Trinity」とタイトルをつけた。

曲は、国旗のイメージから引用し、3部構成とした。A-B-Cで完結するシンプルな作りではある。Aメロは、「」緑をイメージした。夜明け前のハンガリー、まだ暗い大森林、そこに光がさしてくる。そしてBメロは「白」をイメージした、ハンガリーの人々の優しい心を表現してみた。最後のCメロは「赤」、血わき肉躍る様、その後に訪れるであろう平和を信じて。という想いを短いソロ曲にまとめてある。

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「さくら幽玄」(op.29)
2010年春に作曲された、GAYOの代表的なソロ曲である。
箏を演奏する私自身と、それを見守る桜の樹。いつしか、私が桜の樹となり、箏を演奏している私自身を見つめている。なぜ演奏しているのか?なぜ生きているのか?そんな問いかけを自分に投げかける。まさにその時に生まれた曲。新たな箏人生に踏み切ることとなったきっかけの作品。これ以降、GAYOの曲は、和風味が増していく。
聴き手も弾き手も、「生きる」ということについて考えさせられる作品である。
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「雪舞」(op.34)
2010年冬に作曲された。
雪が舞い、踊り、戯れる様を描いた。箏という楽器をとおして、音のない世界の情景から音が紡ぎ出されていく。
奏者により、自由に表現してもらうため、あえて譜面の強弱記号は消去してある。舞降る雪のごとく、自由に演奏してもらいたい。
箏独特の美しいハーモニクスの響きの中から、曲が動き出す。
様々なリズムと転調を繰り返しながら曲構成が変化していく様は、季節が移り変わるように自然で、美しい流れである。
合間に取り入れられている奇数拍の小節では“語りかけられている”ような“言いかけられた”ような、どこか対話を感じさせる、そんな不思議な感覚に触れることができる。
ゆったりとしたリズムを用いたメロディー部分には魅了され、またその後に訪れる、GAYO氏らしいコード使いとリズムは、聴き手に焦燥感をも与える。そのコントラストは、楽曲中の一瞬も聴き逃せない。
エンディングは冒頭部分に回帰していく。
聴き手各々が持つ《雪舞》の情景が、まぶたの裏にふっ、と浮かぶ。 そんな作品である。
解説:中川はるか
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「祈り」(op.36)
2011年5月に作曲された、箏ソロ曲として生まれ、トリオ編成でもよく演奏される。「輝夜」と同じ時期に作られたもので、人々の魂への「祈り」、そして魂の再生を願う、レクイエムとして作った。どうやらKotaさんお気に入りの楽曲らしい。人と人との心の繋がり、魂のつながり、そういうものを信じていきたいというGAYOの強い願いが込められている。
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「星のゆりかご」(op.41)
2012年夏に作曲された。
満天に輝く星々、それに抱かれ漂う様を曲にした。
ポップス系サウンドから始まり、クラシカルスタイルで終わる、GAYO独自の構成が色濃く表れている。

二十絃箏とチェロのための二重奏として作曲されたが、「箏・ピアノ・チェロ」(CD「刻の忘れ物」に収録)や「箏・フルート・チェロ」などのトリオと編成を変えて演奏されることが多い。

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「東風の舞」(op.43)
2012年春に作曲された、チェロと箏の二重奏曲。
「こちのまい」と読む。これは「春の季語」でもある。
寒い冬、雪が溶けて、温かい春がやってきた、ようやくやってきた、その喜びを曲にした。
長い冬もいつかは終わる。長い闇もいつかは終わる。GAYOの音楽もこの春のやわらかい陽射しのように、じわじわと、世界中の人々に伝わっていくとうれしい。
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「涼風」(op.44)
2012年夏に作曲された、チェロと箏の二重奏曲。
「すずか」と読む。これは「夏の季語」でもある。高原を吹き渡る夏の爽やかな風、風の通り道に寝転がっている自分をイメージした作品である。シンプルかつ爽やかな、耳に入りやすく、覚えやすく、楽しい小曲をというコンセプトで作られた。「可愛い」と思ってもらえるとうれしい。
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「Wassail」(op.45)
2012年夏に作曲された、チェロと箏の二重奏曲。原曲はCD「星のゆりかご」に収録。

「ワッセイル」とは「乾杯」という意味で、お互いの人生に、お互いの幸せに乾杯。そういう意味合いがある。GAYOのオリジナルアイリッシュ風作品となっている。発表以来、演奏者にも聴衆者(とくに外国の方)にも人気で、いつのまにか演奏回数上位に食い込んでいる。

CD「星のゆりかご」を制作するにあたり、どうしても8曲目が間に合わずあきらめていたところ、夜中にビール飲みながら朝には書き上がっていたという、別名「ビールのための曲」ともいわれている。 二十絃箏とチェロのための二重奏として作曲されたが、「箏・ピアノ・チェロ」(CD「刻の忘れ物」収録)や「箏・フルート・チェロ」などのトリオや、中編成・大編成と、展開力のある楽曲である。

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「たまゆら」(op.48)
2013年春に作曲した、フルートと箏の二重奏曲。。CD「北のオアシス」のために作曲した。
人生のどこを切り取っても、まばゆいばかりのはじける思い出と、あふれる生気、そんな「命」への想いを込めて作曲した。
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「Deep Green」(op.49)
2013年春に作曲した、フルートと箏の二重奏曲。CD「北のオアシス」制作のために作曲した。そこは深い深い森の中。寝息すらきこえてくるような静寂の中、徐々に生命(いのち)が目を醒ます。そこは深い深い森の中。生命とはなんだろう?そう感じたときに、自分の内面を通して生命の世界へとダイブしたときの感覚を作品にした。
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「宵囃子」(op.51)
2013年春に作曲した、フルートと箏の二重奏曲。CD「北のオアシス」制作のために作曲した。遠くから聞こえてくる祭り囃子の音、賑やかなお祭り、そしてまた遠ざかっていく。シンプルな構成の中にも、弾けるメロディーが包有されている、和風作品として仕上がった。二十絃箏のチューニングが、特殊なため、ライブ・コンサートで演奏するときは、前後のプログラムに注意されたし。
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